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欧州不動産証券戦略

不動産証券への投資は、拡大する不動産証券化の機会に加えて、インカムを生み出す大規模な不動産が実証してきた有益な投資特性を捉えることを可能にします。

大規模かつ確立された市場

欧州の上場不動産証券市場は、80銘柄以上のリートを含む上場不動産証券で構成され、その多くが優良物件を保有しています。欧州リートはオランダを除きほとんどの国がリート法制を最近制定したばかりであるため、市場全体に占める割合は米国リートを若干下回っています。不動産会社は、複数の国や物件タイプにまたがる物件を保有していることがあります。 

投資対象として魅力的な特徴

不動産証券への投資は、インカムを生み出す大規模な商業用不動産への投資から得られるメリットを直ちに提供します。不動産証券への投資は、株式、債券および不動産の多様な性質を併せ持つことにより、長期的に有益な投資特性を実証してきました。

  • 配当収入:リートは利益の大部分を株主に分配することが、法律により義務付けられています。その結果、リスク特性が類似する他の株式よりも配当利回りが高くなる傾向にあります。この配当は、多くの場合に長期賃貸契約に基づいたテナントが支払う賃料からのキャッシュフローが原資となります。
  • 長期成長の可能性:人口が増加して経済活動が活発になると、賃貸需要が高まり不動産価値と賃料が上昇するため、不動産証券の資産価値が大幅に上昇する可能性があります。 
  • ポートフォリオの分散効果:リートを含む不動産証券は、実物資産を裏付けとしているため、多様な経済状況や金融政策の環境、インフレ動向に応じてリターンに様々な特徴があり、投資ポートフォリオに有益な分散効果をもたらします。
  • 複数の不動産セクター・地域への分散投資:不動産証券のポートフォリオは、数千に及ぶ不動産の所有権を提供することができるため、投資家は物件タイプ別および地域別に容易に分散することが可能であり、実物不動産への投資を通じて同程度の分散を達成する場合のように多額の資金を投じる必要がありません。
  • 流動性と日々の時価評価:非上場の実物不動産投資の場合、ロックアップ(売却禁止)期間が長く、流通市場も限られているのに対し、不動産証券が取引される上場市場は高水準の流動性を提供します。この流動性は、アクティブ運用のマネージャーに新たな投資機会を捉える高い柔軟性をもたらします。鑑定評価に基づいて価格付けされ、数ヶ月から数四半期遅行することもある実物不動産とは異なり、不動産証券はリアルタイムで価格付けされています。
  • 透明性とコーポレート・ガバナンス:上場証券を発行する不動産会社は、規制当局の監視を受け、企業統治、財務報告および情報公開に関して厳格な基準が求められます。不動産証券は、税制上の優遇措置や最低水準の分配義務があるため、さらに厳しい監視を受けており、投資家は一層の透明性が得られます。 
  • 経営陣による価値創造:大半の上場不動産会社では、経験豊富な経営陣が経営に携わっており、物件の取得、売却および開発を通じて、保有する不動産の価値に加えて企業価値を高めることができます。

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