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リアル・アセット戦略

コーヘン&スティアーズは、実物資産への投資は適切な分散を図り、巧みに運用することによってユニークな分散効果をもたらし、従来型の株式と債券への資産配分に伴う多くの長期的なリスクを管理することに役立つと考えています。

実物資産への投資枠組み

調査を基盤とするコーヘン&スティアーズの投資枠組みは、実物資産へ長期戦略的な資産配分を行う上で満たすべき主要な基準として、次の3点を重視しています。

  1. 分散の可能性:株式と債券が共にアンダーパフォームする局面でアウトパフォームする可能性
  2. 高い期待リターンの可能性:市場サイクルまたは景気サイクル全体を通じて長期的に魅力的なリターンとなる可能性
  3. 高いインフレ感応度:「予想外」のインフレ上昇、すなわち、株式と債券に資産を集中する投資家にとって特に厳しい環境を生み出しうる状況に対して、株式や債券より高いインフレ感応度を示す可能性

実物資産がポートフォリオを効果的に分散させることができる理由

金融市場の歴史のなかで、株式と債券がそれぞれの長期平均を同時にアンダーパフォームする状況が多く見られました。過去10年余りにおいて、こうした状況の発生頻度は低下傾向にあるものの、コーヘン&スティアーズの調査によれば、株式と債券は高い確率で同時にアンダーパフォームする頻度が増えると予想されます。

株式と債券に資産を集中する投資家にとって、株式と債券が同時にアンダーパフォームする状況は、ポートフォリオ全体のリターンの低下、ポートフォリオから支出を賄う能力の低減、さらに長期投資目標を達成できない可能性といったリスクを高めると考えられます。一方、株式と債券が同時にアンダーパフォームする局面は、過去において実物資産のリターンを支えてきました。こうした実績は、様々な実物資産クラスが長期的に分散効果をもたらす可能性を強力に裏付けると同時に、特に分散した実物資産投資の優位性を強く示すものと考えられます。

ポートフォリオを分散させる役割

コーヘン&スティアーズの調査によれば、金と多くの債券セクターは、実物資産ポートフォリオのリスクを管理する際の分散手段として利用することが可能です。

短期クレジットは、主要な実物資産クラスが単独では通常グローバル株式市場よりボラティリティが高いため、戦略的かつ戦術的に実物資産ポートフォリオのボラティリティを管理する手段を提供することができます。

金は、拡張的な金融政策や経済の停滞、不安定な地政学的状況が生じる局面において堅調となる傾向があるため、イベント・リスクに対するヘッジとして機能します。また、金は過去において他の実物資産クラスとの低い相関性を示しています。

投資根拠:トップダウンおよびボトムアップ

コーヘン&スティアーズは、トップダウンとボトムアップの視点の相互関連やリスク寄与度を明示的に織り込む、詳細かつ多面的なリスク管理体制が、このプロセスに不可欠であると見ています。最終的に、実物資産を単一の一体化した資産クラスとして捉えるべきであり、理想として、投資プロセスの全ての側面を統合する共通の体系下で(または単一のポートフォリオのなかで)、実物資産を運用するべきであると考えています。